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53 大人のピアノ

「大人のピアノ」という言葉が広まってからもう久しいものです。少子化で子供の生徒が減っている現実もあり、大手企業の音楽教室などを中心にそれなりの意味を持って既に定着し、言葉の定着と共にたくさんの方達が音楽を楽しまれるようになったと言ってよいでしょう。

私自身がピアノ教師として持っている姿勢は、どんな立場や年齢の人に対しても本物の美しい作品を通じピアノ曲により深く触れ、演奏できるようにとレッスンをするというものです。そういった基本姿勢は大人も子供も関係なくいつも変わりようのないものです。音楽そのものの歓びに是非触れて欲しいと思うものです。

勿論、それを伝え、受け止めてもらえる工夫はこちらがそれなりにしなければならない仕事でしょうし、レッスン上、大人の方ならではの配慮も確かに必要です。
そういったレッスンの中で優れた作品の持つ感動に触れ演奏の力を高めながら、ピアノのレッスンを受けることで自分の練習時間がこの上もなく楽しく過ごせたり、いつのまにか人間としての幅が広がったり、教養が深まったりということが付いて来ればと思っています。
そして又当然そういうものがついてこなければそれはまやかしの時間に過ぎなくなってしまう・・・本来、そういうものではないでしょうか。

「大人の」と看板があった方が特に初心者の大人の方にはとっつきやすいものとなるのでしょうが、敢えて「大人の」と区分分けをすることでその人の持ってる可能性を狭めてしまうことがないものだろうかと懸念を覚えもします。

自分の年齢や看板にこだわらず、「ピアノが弾きたい」と、ピアノの先生を選ぶに際してもそのシンプルな姿勢を大切に持ち続けることで、自分に合う良い先生との出会いを得、色々な事が可能になるものではないでしょうか。

この数年、以前にも増して私のもとにも様々な大人の方がいらっしゃるようになり多くの方達との出会いをいただいてます。

全くの初心者の方でも早く楽譜に慣れ上達するようにと仕事の空き時間には自分から五線譜のノートを広げて積極的に勉強された上、月に5回6回と1時間のレッスンを受けに通われ、こちらを唸らせる社会人の方や、子供の頃にも高いレベルでのレッスンを受け、長いブランクを経ながらも地道にこつこつと練習を積み重ね、質の高い演奏に磨きをかけられる方もいらっしゃいます。発表会での演奏を機に自信を付け、自分の演奏の弱点にしっかり向かって克服しようというまぶしい姿勢にはっとさせてくださる方も。

ひとりひとりのことを想い始めると音と共にそれぞれにドラマを感じ、話は際限なくなります。とても書ききれるものではないですが、本当に生徒の皆さんはそれぞれ素晴らしいと感じられる方ばかりです。

あくまで蛇足ですが、表現したい何ものかを持って熱心に取り組んでる女性は皆さん素敵に輝いていて綺麗です・・・。もうひとつオマケに書かせて貰うならピアノのレッスンを続けるうちに段々と綺麗になっていく・・・久理先生のレッスンを受けるうちにアナタはだんだん綺麗になる・・・・と、確信?!しているものです。

さて、そういった方々、特にブランクを経てピアノを再開された方が口をそろえて言うのが「子供の頃と違って練習時間があっというま!」ということです。

そういった大人の方達ならではのピアノのレッスンについて次回以降もう少し触れてみる予定です。

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2004年 2月15日


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