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43 霊感?

人によっては胡散臭いこと極まりないもの、或いは又、人によってはこれこそ真実、人間の生を支配するのはまさしく霊の・・・・と、取り上げようによってはやんややんやの大討論ネタ。

広辞苑をクリックすると、
1.神仏の霊妙な感応。また、神仏がのりうつったような不思議な働きをもつ感じ。おつげ。
2.(inspiration) 人間の霊の微妙な作用による感応。心にぴんとくる不思議な感じ。「―が働く」  (岩波書店 『広辞苑 第四版』)
だそうな。

「おつげ」というのはなにやら新興宗教めいて、天の声は20万円の寄付がそなたに幸福をもたらすと断言しておるぞ・・などという怪しげな図を思い起こさせるのですが、「心にぴんとくる不思議な感じ」、inspirationの方は、音楽に深く関わってる人なら決して無縁なことではないでしょう。
作曲家の伝記などを読んでるとしばしば「ベートーヴェンは木々の緑や小鳥の声に霊感を得て・・」などという記述にあたります。

そういった直接創作に関わるものや世にいう霊感などというシロモノではなくとも、周囲を見渡してみると、音楽に携わる人達にいわゆるカンの強い人は結構多いものです。
ということで、前置きばかりが大袈裟になりそうになってきたところで、いくつかある私自身の体験から、他愛なくもちょっと説明のつけにくい話をふたつほど。

もう何年も前のこと、某企業系音楽教室の講師を志望する生徒のソルフェージュのレッスンをしていた時です。
コールユーブンゲンを歌わせ、私がピアノに向かって座り、背の高い女子生徒が脇に立って拍子をとりながら歌っていました。真面目でよく集中しており、全く普通に滞りなくレッスンしていたのですが、しばらく進めていくうち、どうも私のお腹のあたりに身に覚えのない違和感を感じ始めました。

その日の体調は全く快調。お腹が痛くなるような心当たりもありません。
ピアノの前に座り、歌わせたりしながらも、次第になんか変、なんか変、なんだか・・・・と、ひょっとして、まさかと思い、尋ねてみたのです。
「もしかすると、アナタ今お腹痛くない?」
「え!!? ハイ、実はさっきから・・・・でも、どうしてわかったんですか?!」

どうしてでしょう?特に若い頃よく経験したのですが、どうも私はそばにいる人の影響を受けやすいようなのです。
一緒に過ごしてる人がお腹が痛ければ、お腹が、頭が痛ければ頭が、なぜかしら自分も同じように痛くなっちゃうのですね。もちろん相手はそう言ったことはまったく表面に出さずともです。ひょっとして頭痛いでしょ?といきなりきかれてあちらががびっくりするようなことはよくあるのです。
しかもそういった時に感じる痛みは本来自分の体から発する痛みとはなにか違う感じがして、妙に違和感のある痛みなのです。できればそっくりそのままお相手にお返ししちゃいたいような、文字通りの「他人の痛み」なのです。

似たような話で、もうひとつ。これは親友との間のこと。

これも凄く昔の話ですが、ある晩、ちょっとショックなことがあり、ひどく泣けて泣けて夜通し泣き明かしたことがありました。泣きながらそのままろくに眠らずに朝を迎えたのですが、その朝8時頃突然電話が鳴りました。出てみるとピアノ関係で一番仲の良い友人です。

おはよう、寒いねと、意味のない世間話を始める彼女に対し、なんでこんな朝っぱらから用もないのに電話かけてくるの?といぶかしく思いながら話していました。が、ちょっと話すうち、実は、と切り出したのがこんな話。

「夕べ、なんかあったでしょう? もしかして、すごく泣いてなかった?」
「そ、そう、そのとおりなんだけど・・・どうして?!」
「うん、久理ちゃんの夢見てね・・それがなんかね・・・様子が変でね。で、すごく気になってそれで電話かけたの。」

というような話はまだまだ沢山ありますが、どうも季節外れの話題になりそうです。真夏の暑い時期にまたいずれ・・。

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