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3 ピアノを弾くということは

ピアノを習い、高校、大学と弾き続けていく人たちの中に「私は絶対、歌の伴奏を弾いていきたい!」「是非とも室内楽専門にやっていきたい。」と思う人は果たしてどのくらいいるでしょう?まして「バレエピアニストになりたいの!」という人は? 世の中にピアノ弾き多しといえどもこういった伴奏者志向の人間は相当希少価値と言えるのではないでしょうか。

いわゆる「あわせ物」の素晴らしさ、ソロの演奏と同じようにそこに価値を見出す人の話はとりあえずさておいて、 ピアニストといえばやはりソリスト。
舞台の上で一人ライトを浴び、黒く艶やかに光るグランドピアノを鳴り響かす。夢はソリストです。多くのピアノ弾きが反射的に思い浮かべるのはそういう図です。 100歩譲って「ソロもいいけど、チェロや歌と合わせるのも楽しいし、アンサンブルもいいですね。」というところではないでしょうか。

確かにピアノとはそもそもがそういう性質を持つ楽器です。他の助けを借りなくても一人でオーケストラに匹敵するだけの表現ができてしまう、言ってみれば自己完結型の楽器です。習っていく、専門的に学んでいく、その課程でもソロの曲が中心になり、練習時間の多くはそこに費やされ、人間の声を含む他の楽器とあわせる面白さを見出す機会も少ないまま、やがて教えたり演奏したりという活動に入っていかざるを得ないでしょう。そして又ソリストであることでピアノ弾きのプライドが満たされるのは・・やはり、ね。もっともなのです。

そういう風にピアノに長く接して来た多くのピアノの先生方、演奏活動をなさってるピアニストの方々のもとに、「バレエのお稽古場で、ピアノを弾きませんか?」という話が舞い込んできた時・・・さて?

とある音大のピアノ科卒業生名簿をたどってたどってたどって、ある日、電話がかかってきました。
情報源のピアノ科出身の方の友達の友達の友達の・・・そのまた何人目かの友達に、音大出身ではないピアノの先生、私がいたのです。
「バレエのレッスンで弾く人を探してるんですって。よくわかんないんだけど・・・礒山さんなら、なんか向いていそうじゃない?! ほら、伴奏なんかお好きだし、初見で連弾なんかもお弾きになるでしょ、子供たちのリトミックみたいな指導のピアノもなさってたみたいだし、そういう人がいいらしいのよ。やらない?」
「ふ〜ん・・・面白そう!!」

というわけです。でも、そんな簡単にお引き受けしちゃって良いお話だったのでしょうか?

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